音楽

2017年1月 9日 (月)

第9演奏にあたって  ヘルベルト・ブロムシュテット

幸せを切望したベートーベンが音楽で伝えたかったこと
「第9」の魅力を解き明かします  
ヘルベルト・ブロムシュテット氏に聞く


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 誰もが「歓喜の歌」という題名にひかれます。幸せになりたいという気持ちがあるからです。しかし、ベートーベンは大変に不運な人でした。耳が不自由であるということは、音楽家にとってどんなに苛酷なことか。頭の中で想像するだけで、実際の音を聴くことができない苦しみ。聴覚に問題のない状態で作曲した交響曲は第一番だけなのです。第二番を書き上げたときには、既に聴覚が失われ始めていました。これは大きな悲劇です。
 私たちは悲劇に打ち勝つことができる人を尊敬するのです。悲劇や悲惨な出来事は悲しいものですが、それを機に新しいスタートを切ることもできます。第9は耳が聴こえないベートーベンだからこそ生まれた作品だと思います。そして音楽の質の高さは言うまでもありません。
 第1番の演奏時間は25分であの時代の交響曲の標準です。第9はその倍以上の長さです。スケールが大きいというだけでなく、中身も凝縮されていて多くのことを語っています。

 第9の全体を通したテーマは喜びです。
第1楽章は創造する喜びを表現しています。第2楽章はまた別の喜び、ディオニュソス的な半狂乱の喜びの表現です。第3楽章は歌心たっぷりの叙情的な緩徐楽章です。叙情と美しさに満ちた、心安らぐ楽章です。最後の方には穏やかさを破る瞬間があります。人生は平穏な時ばかりでなく、厳しいこともあると思い出させるためです。穏やかな主題と同じ音程を使いながら、人間はいつか死ぬ、不幸が訪れることもあるという警告を発しています。この美しい緩徐楽章に、人生は美しいだけでなく、困難なこともあるという意味も与えています。それだけに楽しい瞬間がきわだつのです。この楽章は本当にすばらしい。ずっと演奏していたいくらいです。最後は穏やかに終わります。
 ベートーベンはお得意のこのモティーフを反転しこのくらいテンポを落として用いるのです。究極の平和を得たという印象があります。仏陀も求めた極致です。
 涅槃(ねはん)に達し欲を持たず、解脱することで幸せになる。第3楽章の後はそんな気持ちになります。しかし、直後におぞましい和音が来ます。ひどい不協和音です。何のためでしょうか?(第3楽章では)試練や戦争、困難のあとには究極の平和が訪れると言いたかったのです。あまりに美しく心地よいので、居眠りをしてしまいそうになります。
 そこで人生は楽ではないと私たちの目を覚まさせるのです。私はこれを地獄の和音と呼んでします。管楽器がいっせいに「変ロ音」を演奏します。しかし、ティンパニはその半音「イ音」を叩き耳障りな不協和音が響きます。そして、美しいい心なごむメロディーが現れます。
 王ではなく普通の人が地道に歩んで行くような、隣り合った音でできた歌いやすいメロディーです。冒頭の人間を象徴するメロディーの音程を変化させたものです。崇高なのにとてもシンプルで5つの音だけでできています。これよりは上には行かず1回低くなるだけ、限られた音域で歌いやすいのです。極めて美しく計算されたメロディーです。単なる思いつきではなく、熟考を重ねた結果です。オーケストラがかなり長く展開したあと、また地獄が訪れます。これまで何回か繰り返されてきた、あの恐ろしいメロディーです。その後、バリトンの独唱が始まります。
 私はこんな音楽を聴きたくない、もっと楽しい幸せな音楽が聴きたいのだと歌います。
これはドイツ語の歌詞の意訳で、ちなみに歌詞はベートーベン本人のものです。
その後に、シラーの詩を引用した長い楽章となります。シラーが書いたのは、30ほどの節からなる長い詩で、そのうちの喜びに関する3節か4節を歓喜の歌に引用したのです。これは喜びへの賛歌です。
 そこかしこに喜びはあり、それを手にいれるために努力し、大切にするようにと合唱が加わり歓喜の歌を歌います。フーガと合唱の同時進行です。合唱とオーケストラが表すそれぞれの喜びを見事に組み合わせています。
 それから間があって、まったく新しい神に関する詩が歌われます。
神はどこにも存在し、人間とコミュニケ―ションを取っていると、音楽で見事に表しています。
 フィナーレはディオニュソス的な半狂乱の喜び、オーケストラがとても速いテンポで、人間の主題を奏でます。そして、合唱が神の主題を歌います。ものすごい高揚感です。
合唱とオーケストラが感極まり、オーケストラが速いテンポで主題を数小節奏でます。
それで終わりです。
 冒頭で使われた音程で締めているのです。見事なまでに計算されています。耳の不自由な天才音楽家の作品です。幸せを切望したベートーベンが音楽を通して示したのは、次々に悲劇に見舞われたとしても、幸せになることはできるのだということです。
 ぜひお楽しみいただければと思います。

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指揮:ヘルベル卜・ブロムシユテット

1927年にアメリカで生まれ、その後、両親の祖国スウェーデンに移住した。ストックホルム王立音楽院からウプサラ大字に進み、さらにジュリアード音楽院で指揮法、バーゼル音楽院で古楽を字んだ。1954年ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してデビュー。オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、デンマーク放送交響楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の首席指揮者を歴任した。1985年からサンフランシスコ交響楽団、1996年から北ドイツ放送交響楽団、1998年からライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の、それぞれ音楽監督を務めた。NHK交響楽団には1981年から客演を重ね、現在は同楽団名誉指揮者の称号を贈られている。2016年、日本放送協会放送文化負を受賞。

〇ディオニュソス
ギリシャ神話で、酒の神。もと、北方のトラキア地方から入ってきた神で、その祭儀は激しい陶酔状態を伴い、ギリシャ演劇の発生にかかわるともいわれる。ゼウスとカドモスの娘セメレとの子。バッカス。
〇涅槃(ねはん)
煩悩 (ぼんのう) の火を消して、知慧 (ちえ) の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。仏教で理想とする、仏の悟りを得た境地。

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89歳の巨匠が万感をこめて第9にいどむ
ヘルベルト・ブロムシュテット89歳 世界で最長老の指揮者のひとり
N響と「第9」を共演するのは1985年以来。
31年ぶりとなる今回の「第9」 ― しかし、その演奏は大きく様変わりしていた。

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 第一楽章は作曲する喜びだと思います。
短い2つのモチーフだけで音楽を組み立てる喜びです。
 第2楽章スケルツォはドラマチックで情熱的、陶酔的で悪魔的な喜びを描いています。
 パンパラ パンパラ パンパラ パンパラ
一番好きなのは、ゆったりしただ3楽章。平和の喜びにあふれています。

1985年には楽譜の新しい版がまだなく、150年ほど前からの楽譜を使っていました。19世紀の頃からずっと使われていた版です。今使っている版は、1990年代に新しく出版されたものです。またベートーベンの“意図”を伝える多くの資料も見つかっています。音楽家は良心に従い、なるべく原典に忠実であるべきだと思います。今の私は昔よりも作曲家の“意図”に忠実な演奏ができるようになりました。それに、周りのことを気にしなくてもいい歳になりました。フルトヴェングラーの倍のテンポで演奏していると言われても平気です。ベートーベンの“意図”に従っているという自信があるからです。

ブロムシュテットは、ベートーベンが音符に託した“意図”ひとつひとつを演奏前の練習で解きほぐしていきます。
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コンサートマスター 伊藤 亮太郎氏

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(ブロムシュテットは様々な指示を書き込んだ譜面を事前に渡していた)
あるフレーズで、センサビブラートと言って〝ミブラートかけないで〟っていうふうに書いてあったんですね。まあ、そこのフレーズは、けっこうきれいなフレーズなので普段はけっこう、良い音でと思って、ミブラートかけたりするんですけど、それを確認して、多分2小節ぐらいかなと思って質問して「どこまでかけない方法で行きますか」と聞いたら、意外と長くて8小節あったりして、最初、びっくりしたんですけれども、その後、実際に音を出してみたら、本当に、作品の真の姿というのが、自分が聴いていてもよく伝わって来て驚きの経験になったんです。

第1バオリン 齋藤 真知亜氏

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彼の音楽の中に、われわれよくメロディーに目が行ってしまいますけども、メロディーではなくそのメロディーを細分化したモチーフ、タターンとうのとタラーという二つの音がものすごく少ないモチーフですよね。それが、オーケストラのなかにどう点在しているのかということを完璧に把握していらっしゃるので、それを楽器のそれぞれの特徴に合わせて、どれだけ表現をさせるかみたいな感じですね。だから、なんか、へたをすると、うまく言えないんですけど、ピカソの絵みたいな感じで、ここは象徴する、ここは象徴するって、本当に一つの顔をいろいろなところから見て、それを結果として立体的に音楽が構築されているという、そんな感じだと思います。

ブロムシュテット
(ディテール 全体の中の細かい部分。細部。)
経験を重ねると表現する上で、ディテールがいかに大切かわかってきます。たとえばダイナミックス、一つのフレーズの中で一番大切な音はどれか、フレーズの中でどこで強めるかどこで弱めるか、これは譜面には書かれていないこともあります。“弱音”と書かれている場合でも、すべての音を同じくらい弱くという意味ではありません。弱い中にも立てるべき音があります。でもそれは自分で見つけなければなりません。音楽そのものにある光と影、緊張と弛緩(しかん)、それが音楽を生き生きさせるのです。

(合唱の練習で)
 第9を聴きに来る人は、音楽好きもそうでない人でも何か美しいものを聴きたいと、抱きしめられる感じを味わいたいと思って来るのです。

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何よりもまず伊藤亮太郎さんと固い握手
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 毎年、暮れになるとベートーベンの第9が演奏されます。
私は演奏会に参加したことはありませんが、第9を必ず聴くようにしています。
2016年のNHK交響楽団による演奏会が12月21日に開催され、31日の夜に放送されました。紅白歌合戦とダブり録画しておいて1日にじっくりと聴きました。2回も聴きました。
 聴いていて感覚ですが「いつもの第9演奏とは違うのでは」と思いました。
何が違うのか、それは指揮者のヘルベル卜・ブロムシユテットでした。
 第9の演奏が終了したあとブロムシュテット氏は演奏した楽団員と合唱団に繰り返し握手とエールを送り続けたのです。いままでにこれほどに、演奏者を称えた指揮者はいたでしょうか。この姿に私は感動し、涙があふれてきました。

 私はヘルベルト・ブロムシュテット氏について全く知りませんでした。
第9演奏会を聴いたことで、にわかに「どういう人だろう」とネットで情報を集めました。
その結果が上記の内容で、自分一人のものにしておいてはもったいないので、ブログに掲載しました。いままで、第9の内容にまでは深く入っていなかった私ですが、ブロムシュテットの第9演奏に出会えてよかったと感謝の気持ちです。

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2014年12月23日 (火)

塸ざかり 横井久美子トーク&ライブin春日部 12月6日

春日部で横井久美子さんのトーク&ライブが初めて行われたのが2005年12月。
それから1回だけお休みして今年で9回目となりました。
 12月の第一土曜日と決まっていて、実行委員5人の女性を中心に、毎年新鮮に続けられているすばらしいトーク&ライブです。
 11月に1回目からの参加者であった仲間が突然亡くなり追悼の集いともなり、充実した一日になりました。

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ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの勇気ある行動を紹介しました。
「一人のこどもがいて、一人の先生がいて、一本のペンがあり、一冊の本があれば」
と新しい歌を紹介しました。

notes 横井久美子さんの曲目

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会場のみんなが「風の中のレクイエム」に拍手で仲間を追悼しました。
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実行委員会から感謝の花束が
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春日部で恒例になった千住ネギが参加者みんなに・・・
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2012年12月17日 (月)

横井久美子ト-ク&ライブin春日部  12月1日

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(ギターを持って歌い続けて43年=横井久美子さん)

 何年か前、春日部での春秋楽座が始まるときまで雨が吹き付けた悪天候が、ライブが進むにつれて晴れていったことを思い出しました。今回の12月1日、ライブ開催前に雨が降っていましたが開催時にはすっかりやんだなかで始まりました。

happy01 来年からは、
春秋楽座に代わる
「嫗ざかり 歌って愛して」のステップへ

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横井久美子さんは昨年までに、限定50人で音響施設を使わずに、生で歌う「春秋楽座」を全国で300回開催してきました。
今年は、「春秋楽座300回記念 全国ツア-」を全国各地で開催し、春日部で44回目を迎え、春日部での横井久美子さんのライブは今回で7回目となりました。
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 横井さんのバイタリティ-さにはいつも感心させられ、勇気づけられますが、やはり、生でのライブは最高だと思いました。この日、すごく横井さんがきれいで生き生きしていると感じました。声もよく通り、いままでで最高だったように感じました。
 ライブが終わってからの、交流会で横井久美子さんが、次のステップについて話してくれました。それが「嫗(おうな)ざかり 歌って愛して」だということでした。

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● あくび  ● 私の子どもたちへ  ● はちと神様  ● ラブミ-テンダ-

● さとうきび畑の歌  ● にんげんをかえせ

● トンコリ演奏とアイヌ神謡集から  ● わたしと小鳥とすずと  ● わたしの孤独

● 筑豊の子守唄  ● 赤い椿と青いげんぼし  ● 人生のはじまり

● あなたを見ていると ● 自転車に乗って

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(アイヌの大切な文化=トンコリ)
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(アイヌの神謡集からをトンコリを弾きながら歌う)

happy02 胸が熱くなった「私の子どもたちへ」

私の子どもたちへ
  笠木透 作詞・作曲
 

生きている鳥たちが
生きて飛びまわる空を
あなたに残しておいて
やれるだろうか 父さんは
 目をとじてごらんなさい
 山が見えるでしょう
 近づいてごらんなさい
 コブシの花があるでしょう
 

生きている魚たちが
生きて泳ぎまわる川を
あなたに残しておいて
やれるだろうか 父さんは
 目をとじてごらんなさい
 野原が見えるでしょう
 近づいてごらんなさい
 リンドウの花があるでしょう
 

生きている君たちが
生きて走りまわる川を
あなたに残しておいて
やれるだろうか 父さんは
 目をとじてごらんなさい
 山が見えるでしょう
 近づいてごらんなさい
 コブシの花があるでしょう

(演奏では〝父さん〟を〝母さん〟とかえて歌っています)
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横井さんが歌った歌はどれもすばらしかったのですが、この歌が一番印象深く胸に刻まれました。
 横井久美子さんが歌い始めた初期のころの歌で、この歌が今、福島のお母さんたちの中で歌われているのだそうです。
 横井さんが「いっしょにどうぞ」とリードしてくれ、私も歌える歌なので歌っているうちに、ふと11月に生まれ故郷の浦里小学校の焼け跡を訪ね、そのあと、甥の5年生と3年生の子と6歳の4人で、昔子どもの頃に仕事に励み遊んだりした山道を苦労しながらも楽しく歩きました。その時に、私は帰ってこれる故郷があり、昔を懐かしく思い起こせる。けれど、福島の人たちは原発事故で今も16万人もが故郷に帰れないでいる。いつ帰れるかさえわからないで、生活の不安にどれだけ苦しめられているか・・・・・と頭をよぎったのです。
だれにも大切な故郷がある。
その故郷が放射能で汚染されている
故郷を汚し辱めたものを許さない
原発は即時撤退を決断すべきで、あいまいさは許されないと思うのです。

その時のことをなぜか思い出してしまい、胸が熱くなり歌を歌えなくなってしまいました。

heart02 「歌って愛して春日部30人組」の実行委員メンバーに感謝
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(会場入り口玄関)
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いつも、目立たずに、気配りがよく、参加した人たちを楽しませてくれる実行委員メンバーと二次会会場提供者には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう。これからもよろしくね。

 

 

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2012年11月25日 (日)

井上頼豊生誕100周年チェロコンサート   11月19日

チェロの音域の広さに驚き
生演奏の醍醐味を味わいました


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11月19日(月) トッパンホールで開催された、井上頼豊生誕100周年チェロコンサートに参加し充実した一夜でした。

 私は井上頼豊さんを通じてチェロのすばらしさを知った一人です。
カザルスは生まれ故郷のスペインのカタロニア地方の民謡「鳥の歌」をこよなく愛し続け、フランコファッショ政権に屈しないで最後までスペインに帰らずたたかいぬいた人でした。1971年10月、カザルスは国連総会で「鳥の歌」を演奏しました。
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(ありし日の井上頼豊さん)

 井上頼豊さんは1912年生まれで、1927年、15歳の時に初めてカザルスのレコードを聴いたそうです。1961年4月、来日したカザルスの公開レッスンを受けました。また、井上頼豊さんは日本の歌声運動の指導者でもあり尊敬する演奏者の一人でもありました。
そういう経過で、カザルスのチェロ演奏曲と井上頼豊さんが演奏した「鳥の歌」を時々聴いています。

チェロのすばらしい魅力を再発見

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(コンサート出演者)

 私の席は最前列で、演奏者の表情、手や指の使い方、演奏中の筋肉の動きまでよくわかり、足を踏む音や、わずかな余韻まで聴くことができました。
あらためて感じたのは、チェロの音域が思いこんでいたのとは違い、すごく広いということで驚きでした。音色がすばらしいと思いました。
 そして、永く井上頼豊さんの演奏でピアノを弾いてきた村上弦一郎さんのピアノ演奏にも関心しました。

 登場する演奏家がみな個性を表していて、その都度「すごいなあ」と感心して聴きました。
中でも印象に残ったのは「こもりうた」を弾いた吉川展生さんの演奏でした。チェロで「こもりうた」をこんな風に演奏できるのかという驚きで印象に残りました。

16人によるチェロアンサンブル

この演奏も、今回のコンサートの驚きであり、チェロの魅力に引きつけられる発見でした。
最後の「鳥の歌」もすばらしいフィナーレでした。
井上頼豊生誕100周年だったからこそ実現できたことなのだろうと勝手に理解し、井上頼豊さんの教えを受け継ごうとしている人たちがたくさんいることを大変嬉しく感じました。

 

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2011年12月 7日 (水)

横井久美子第302回春秋楽座 in 春日部  12月3日

暖かくほんわかした雰囲気のなかで盛り上がる
― 横き久美子 今年最後の春秋楽座 ―
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 春日部では2年ぶりの春秋楽座で、実行委員の人たちのきめ細かな配慮が各所にあって、最初から最後まですばらしい雰囲気のミニライブとなりました。
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春秋楽座も300回を超え、新たな挑戦

 横井久美子さんは、ボイストレーニングで歌い続ける努力、ネパールにもこの暮れに出かける予定で、エネルギッシュに新たな挑戦をしている姿に横井さんらしさを強く感じました。
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横井久美子さんの演目より

 
 あくび
 はちと神様
 なみちゃん

 花がすき
 人生よありがとう
 おいでいっしょに
 筑豊の子守唄
アイルランドの子守唄
よみがえれ我が大地の歌
 浜千鳥
 浜辺のうた
 雨にもマケズ
 雨を汚したのはだれ
 私の子どもたちへ
 人間をかえせ

 赤い椿と青いげんぼし

note 筑豊の子守唄で横井さんは、ユネスコ世界記憶遺産に指定された山本作兵衛さんの炭鉱画を示し(コピーした物)ながら歌い、この日、自らが手塩にかけて作ったネギを参加者に手渡した小島さんに贈呈しました。
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(会場設営 生け花が毎回楽しみ)
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(小島さんが手にするユネスコ世界記憶遺産山本作兵衛さんの炭鉱画)
 歌がすすむにつれて、横井さんの表情から、気持ちが高揚していることを感じました。「会場もいいし、お客さんがいいんですもの」と後で横井さんが言っていました。
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(花束、ネギ花が送られました)
 二次会では、子育ての悩みから、それをどう克服するか、病気とたたかいながら楽座を迎えた話、戦争と平和についてどう次の世代に引き継いでいくかなど参加者からの一言で交流もしながら、手作りの料理を食べながら楽しく有意義に過ごせました。

 

 



 

 

 

 


 

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2010年9月 6日 (月)

第3回横山幸雄 ショパンを弾く   9月5日

 若き晩年 天国の扉の前で
ショパン生誕200周年記念の年に最終演奏会
東京オペラシティコンサートホール 9月5日 午後2時開演
 
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2008年から3年連続の“横山幸雄 ショパンを弾く”が9月5日の演奏会で終了しました。
横山幸雄さんの底知れぬ豊かさとエネルギーにあふれた演奏に感謝の気持ちでいっぱいです。 
Photo Profile3_2    この3年間で、毎回新しい認識を広げ、ショパンについてもっと知りたいという意欲にかられ、少し勉強もしました。そういうきっかけを作ってくれたのが横山幸雄さんだったように思います。
  
   ピアノの弦が切れる
 
 今回も会場はいっぱいでしたが、エピソードになるようなできごとが発生しました。
開演から1曲目を終わって幕に下がりマイクを持って横山さんが出てきました。「ピアノの弦が切れてしまったのです」ということで、「普通はこうしたおしゃべりはないのですが」と弦の修理がすむ短い時間に「来年でデビュー20周年になります」「ベートーベン5大ソナタを弾いてから3年」「今回、最終晩年のショパンの結晶作品を演奏します」ショパンも弾いたプレイエルというピアノ演奏を計画していること、年末の企画などについても話をしました。
 横山さんは弦が切れることは時々あるんですとの事で、あまり驚いた様子もなく演奏を続けました。その様子から「この人は大物だな~」と感じました。   

   ポロネーズ第7番     
  ピアノ・ソナタ第3番      
  マズルカ第26番(アンコールで)

 
 あえて選べばこの3曲が私の印象に強く残りました。私はポロネーズ第7番、マズルカ第26番はいままでに聞いたことがなく、初めて聞く曲でした。 
ポロネーズ第7番は円熟期の最後の大作でショパンの最高傑作と言われているそうですが、聞いていてなるほどと思いました。 
ピアノ・ソナタ第3番はよく聞く曲ですが、3年続けてきた、横山幸雄「ショパンを弾く」のフィナーレにふさわしい曲で熱演でした。
 横山さんは鳴りやまぬアンコールの拍手に応え6曲も演奏してくれました。約3時間半満足するピアノコンサートとなりました。
 
 コンサートホールで聴く演奏は、CDやレコードとは違って、ピアノの低音から高音までの音色を十分に響かせてくれます。演奏者の姿や表情が手に取るようにわかり、いっしょになって体を動かしたりしてしまいます。
やはり生の演奏会は最高です。


 プログラム

フレデリック ・フランソワ・ショパン (1810年2月22日~1849年11月17日)

幻想曲へ短調  Op.49

二つのノクターン Op.48

バラード第4番ヘ短調 Op.52

ポロネーズ第6番変イ長調「英雄」 Op.53

   休 憩

ポロネーズ第7番変イ長調「幻想ポロネーズ」 Op.61

子守唄 Op.57

舟歌嬰ヘ長調 Op.60

即興曲第3番変ト長調 Op.51

スケルツォ第4番変ホ長調 Op.54

      休 憩

3つのマズルカ Op.59

ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58

アンコールに応えて演奏した曲目

① ノクターン第18番 Op.62-2
② ワルツ第7番嬰ハ短調 Op6.4-2
③ マズルカ第26番嬰ハ短調 Op.41-1
④ 24の前奏曲より第24番二短調(終曲)Op.28-24
⑤ タランテラ変イ長調 Op.43
⑥ ワルツ第6番変二長調 Op.64-1「小犬のワルツ」

 「 曲目解説 音楽作家 ひのまどか」

● ポロネーズ第7番変イ長調「幻想ポロネーズ」 Op.61 (約13分半)
サンドとの別れが確実に近付いた1846年、7度目のノアンで書かれた。円熟期の最後の大作であり、ショパンの最高傑作と言われている。この前年あたりから彼は病の益々の悪化で気難しくなり、白分がサンド一家にとって「濡れた毛布」のように厄介な存在になっていることに気付いていた。ノアンに居ても独り置かれて孤独な彼は、この頃ワルシャワの家族に長文の手紙を書いている。しかしそこでは本心を明かさず、代わってこの「幻想ポロネーズ」に苦悩の全てを吐き出した観がある。
曲は、4つの主題が転調を重ねながら、幸せだった時の回想、淡い希望、心を占める郷愁、高まる苫悩など様々な感情を紡ぎ出して行く。ノスタルジックな雰囲気が全体を支配している。

● ピアノ・ソナタ第3番口短調Op.58(約28分)            
 1844年、5度目のノアンで作曲。この年の5月、ワルシャワでショパンの父が死去した。その衝撃に耐えら  れず心身共に虚脱状態に陥った彼を立ち直らせようと、サンドは初めてショパンの母に手紙を送り、それに  応えて姉ルドヴィカがノアンにやって来た。愛する姉との14年ぶりの再会、姉とサンドとの暖かい交流が
ショパンに生への希望を抱かせ、ひと夏でこの雄大なスケールを持つソナタを書かせた。ショパンめ天分の全てが注ぎ込まれた大傑作であると同時に、ピアノ音楽の最高峰に位置している。 
第1楽章アレグロ・マエストーソ。力強い第1主題と歌心に満ちた第2主題が絡み合い、情熱的:な展閲部
を築いた後、簡潔なコーダで終る。全曲の半分を占める大規模な楽章。      
第2楽章スケルツオ。モルトげイヅアーチエ。いたずらな妖精が飛び回るような魅惑的なスケルツオ
第3楽章ラルゴ。月明かりの下の夢想を思わせるノクターン風の楽章。        
第4楽章フィナーレ。プレスト・ノン・タント。速いテンポのダイナミックで華麗極まる楽章。

横山幸雄 プロフィール ピアニスト

  日本を代表する若き巨匠。今年は生誕200年を迎えるショパンのシリーズを全国各地で展開し、中でも5月4日に行ったショパン・ピアノ・ソロ全166曲コンサートでは、16時問におよぶ全曲暗譜演奏の偉業を成し遂げ、大きな感動と反響を巻き起こすとともに、横山幸雄の名前はギネス世界記録「ギネス・ブック」に刻まれた。
Header_2  来年2011年はデビュー20周年を迎える。
19才のときに、ショパン国際コンクールにおいて歴代の日本人として最年少での入賞という快挙以来、人気実力ともに常に音楽界をリードするトップアーティストとして、確実に自己の道を歩み続けて、大きな実りをもたらしている。
 1971年東京生まれ。 16才で渡仏後、98年ブソーニキとロン=ティボー国際コンクール上位入賞。
90年パリ国立高等音楽院卒業。同年の秋、ワルシャワで行われたショパン国際コンクールに入賞し、その後、新日鐵音楽賞フレフシュアーテイスト賞、モービル音楽賞奨励賞、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞など数多くの賞を受賞。
活動は、古典から近現代まで、独奏曲・室内楽・協奏曲すべての分野において、圧倒的な幅の広さを誇っている。内外のオーケストラや著名アーテイストとの共演も数多く、その音楽性に深い信頼を得る。
また、自ら企画するコンサートでは、『ショパン全曲連続演奏会/1992~1999』、作品番号のある全ピアノ曲による『ベートーヴェン12会/1998~1999』、『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全曲演奏会/2005』など、数々の意欲的な取り組みにより、高い評価を確立してきた。 2007年夏、東京オペラシティにおいて『ベートーヴェン:5大ソナタ』を一晩で演奏し、満場の喝采を浴びたのは記憶に新しい。
これまでソニーより18タイトルのCDがリリースされており、文化庁芸術祭レコード部門優秀賞、国際F.リスト賞レコードグランプリ最優秀賞など栄えある賞を受賞。
近年は、作曲家としても[Yukio plays Yokoyama/2003]のCDリリースをはじめとして、ヴァイオリン・ソナタや2台ピアノのための『祝祭序曲』ほか、様々な作品を手掛けている。その一方で楽譜の校訂や、『いま、ピアニスト』『ワインの練習(エチュード)』『ピアノQ&A』などの単行本を出版。執筆業でも示唆にとんだ著作を残している。
また、上野学園大学教授、エリザベト音楽大学客員教授として、後進の指導にも意欲的にあたっている。東京FMラジオ「横山幸雄ピアノでめぐり逢い(毎週日曜日深夜放送)」のパーソナリティをつとめ、東京と京都にレストランをオープンし音楽と句の食をプロデュースするなど、活躍は多岐に渡る。

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2009年9月15日 (火)

第2回 横山幸雄 ショパンを弾くを聞いて 9月13日

ジョルジュ・サンドと共に
ショパン20代後半の充実した時期の曲目

clover 写真の画面をクリックすると大きくして見れます。
● 東京オペラシティコンサートホールで9月13日(日)午後2時~行われました。

   来年ショパン生誕200年を迎えま
Photo  昨年、ピアニストの横山幸雄さんがショパン生誕200年に向けて「ショパンを弾く」コンサートを知り聞きに行きました。私はショパンが好きでショパン曲をよく聞いていますが、それまで横山幸雄さんを全く知りませんでした。でも横山幸雄さんの姿を直に見、ピアノを聞いて「す090724 ごい人だな」と感じショパンを部部的でなく広く全体を知るようにしなければいけないことも教えられました。
  2回目の今年の演奏会を楽しみに待っていました。
会場は人でいっぱいでした。1階に席が取れ、隣の女性とちょっと話をしました。その方もショパンが好きで、横山幸雄さんが辻信行さんの師匠でもあることを知っていて今回初めて参加したとのことでした。私も「しんぶん赤旗」7月24日付でそのことを知りました。(その記事を紹介します)懐の広い人だなと感じていたのですが、会場で渡されたリーフを読んで更にそう感じました。
   新しい認識と発見
 なんといっても、生でピアノ演奏を聞けるすばらしさを強く感じました。会場も良いので、低音から高音まで微妙なわずかな音までを身体全体でうけとめられるので090914 す。2回目の演奏を聞いて、いくつかの新しい認識と発見をしました。感じたことを書きます。
 ノクターン変ニ長調の力強さに驚かされました
 バラード第二番の激しさを持った部分に気付きました。
 ピアノソナタ第二番第三楽章「埋葬行進曲」 私は今まで、「埋葬行進曲」の部分が嫌であまり聞かないようにしてきました。横山さんがどんな演奏をするのか期待していました。横山さんの演奏を聞いて認識し発見したことは、私なりの解釈でこの「埋葬行進曲」はショパンの祖国ポーランドへの思いを立ち向かう激しさで書いていると感じたのです。そう感じたことに不思議なのですが・・・。横山さんのピアノの音色に激しさがあったからではないでしょうか。今までは「悲しい」とばかり受け止めていたのですが違うのではと思うようになりました。
 24の前奏曲全部を演奏しましたが、全部を聞くのは初めてでした。この24曲全てが様々な内容で語りかけてきたので感心したり驚いてしまいました。ここで、「狭く見ていてはだめだよ。広く全体を見ることが大切だよ」ということを改めて認識したことです。
    アンコールに応え5曲を演奏
① ノクターン5番 ② ワルツ第4番 ③ マズルカ第11番 ④ エチュード第18番 ⑤ 別れの曲

 横山幸雄さんすばらしい演奏ありがとうございました。来年の3回目を楽しみにしています。



 
 

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