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2017年10月17日 (火)

「戦争に近づかない」ために 丹羽宇一郎 赤旗・焦点・論点

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 今回の本で言いたかったことは、「国民のみなさん、戦争に近づかないようにしよう」ということです。戦争をやるにしても、やらないにしても、政治家はそれらしい理屈をつけます。
 北朝鮮問題で安倍政権は「対話と圧力」と言い続けてきました。私はどんな対話をしてきたのか教えてもらいたいです。対話は〝有言不実行〟ではないのか。金正恩(キムジョンウン)委員長との首脳会談はゼロ。安倍首相はいまでは、「対話のための対話は意味がない」と言っています。
 北朝鮮が正しいとは思いませんが、あの国が全面降伏するとも思いません。圧力一辺倒は外交上の愚策。やり続けたら戦争しかなくなる危険な道です。日米中韓ロプラス北朝鮮の6者協議の再開に踏み出すことが唯一の道です。
 最近の反中、嫌韓の世論も気になります。相手をバカにし、敵意を持てば、相手も同じ感情を持ちます。人は自分の鏡です。いくら相手をバカにしても、それで自分が立派になることはありません。一時的に留飲は下がりますが、自分自身の尊厳も下げます。
 お互いに共通することだけでなく、違っていることを認め受け入れることが基本です。敵意や戦意をあおるのは、平和友好を説くよりもずっと簡単で、国民の感情的な支持は得やすいものです。現在の日本でも、北朝鮮や韓国、中国に対し、強硬な議員の方が支持を得やすいでしょう。
 日本人に限らず、外国と対立すると、国民は強硬論を好む傾向にあります。慎重論は弱腰とされ、政府の政策が強硬になるとメディアも自由を失い、強硬論以外は排除されていきます。戦前のメディアがまさにそうで、いままた同じ過ちを繰り返そうとしています。

 私か著書でもう一つ訴えかかったことは、戦争を知らない時代に生まれた者がまず第一にできることは戦争の真実を知ることです。戦争を知らず、知ろうともせず、安易に戦争を口にすることは無責任です。結局、国家、国民、そして自らを害することになります。
 私は今回、この本を書くにあたって、戦争体験者に取材し、戦場の真実を聞きました。フィリピンに出征したある元日本兵は、敗戦近くでは「こちらが一発撃つうちに敵はそれ以上撃ってくる。とても応戦などできるものでない。逃げるのに精いっぱいだった」と証言しました。反撃手段すらなかったのです。
 他にもさまざまな証言を聞きました。「曹長は主計中尉とその部下を殺して食料を奪った」「現地での婦女子への強姦も横行した。自分もやった。どうせ死ぬのだから何をやってもよいと思った」
 極限状況に置かれた人の集団は、たやすく鬼畜になるのです。これが戦争の真実です。日本人としては記述の筆が鈍りますが、こうした事実から目をそむけては、戦争の真実には迫れません。
「安全保障とは防衛力」と思い込んでいる日本人が多いと感じます。国会議員でも安全保障の議論をすると、中国や北朝鮮からの攻撃をどう防ぐか、どう反撃するかばかり話す人がいます。
 敵をつくらないことが目的の安全保障に対して、敵がいないことには成り立たないのが防衛計画です。仮想敵国を定め作戦を練るわけです。安全にとって最も大事なことは、敵をつくらない政策だと思っています。
 私は日米安保条約を全面否定するつもりはありません。ただ、アメリカに依存して、日本の安全保障を正面から考えようとしない日本の思考停止状態にこそ問題があると思います。
 仮に尖閣諸島で日中が軍事衝突したとします。アメリカが本国から遠く離れた無人島のために、自国の若者の血を流す決定をしますか。中国との経済関係を反故にして日本を助けますか。大統領が、「アメリカ第一」を公言する国ですよ。
 アメリカにとって必要ならば、曰本に関係なく米軍を動員します。在日米軍は日本を守るより、アメリカの極東戦略、西太平洋の制海権を確保するために存在していると思います。だから、軍事同盟というのは、日本とは無関係な戦争に日本が巻き込まれる危険もあるのです。

 日本が目指すべきは世界中から尊敬される国です。尊敬される国とは世界を屈服させる国ではなく、世界が感服し、見本となる国です。平和的手段で問題を解決するというのは当たり前のことです。
 歴史は勝者がつくるものといわれます。日本が目指すべきは「敗者の歴史」を冷静に検証する国です。
 相手にいかに非があっても、武力で正す方法は避けなければいけません。戦争による解決は選んではいけないのです。
 まもなく総選挙の投票日です。立候補者には、「当選することだけを目的にせず、自分たちの主張を明確にしなさい。民主主義は民が主人で、党が主人ではない。自らの党のために主張を変えた人は国民に説明しなければならない」と言いたいです。私は主張が明確な候補者に投票するつもりです。

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