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2016年11月11日 (金)

問題山積 TPPの衆院強行採決は「愚の骨頂」

 私たちはTPP(環太平洋連携協定)は農業をはじめ日本の経済活動を根底から破壊するものであり到底許せないと反対の声を上げ続けています。この国民の声を聞かずに衆議院で自民、公明、維新が強行採決しました。

断じて許せません。

 昨日のテレビニュースを聞いていても、今朝の新聞を見ても、まともにTPPの強行採決に反対した日本共産党の討論が無視されています。マスメディの視点もおかしいと思うのです。なぜ重要な反対討論の内容を伝えないのか。アメリカの大統領選挙でもマスメディアの報道の在り方に問題があることが指摘され、日本でのマスメディアのありかたも問われていると思うのです。
 私は衆議院のネット中継で視聴しました。

日本共産党の畠山和也議員が10日の衆院本会議で行った環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案に対する反対討論は光っていました。その全文を紹介いたします。

TPP承認案・関連法案
畠山和也議員の反対討論


20161111_2

 私は日本共産党を代表して、TPP承認案・関連法案に断固反対の討論を行います。
 何よりまず、TPP特別委員会での質疑打ち切りと採決強行に厳しく抗議するものです。「わが党は結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と述べた安倍晋三首相の目の前で、国会ルールを踏みにじり、慎重審議を求める国民多数の声に背く暴挙が行われたのです。
 そもそも山本有二農水相の2度にわたる暴言は、国会と国民を愚ろうするものです。辞職は当然です。にもかかわらず、政府・与党から事態の打開についてゼ口回答とはとんでもありません。そのうえ米国では、TPP離脱を明確に口にしたトランプ氏が次期大統領に選ばれました。TPPによって雇用が奪われることへの米国民の怒りと不安が反映したものです。米国のみならず、日本でも各国でも反対や批判の声が広がるなかで強硬に採決へ突き進むとは、まさに愚の骨頂ではありませんか。
 国民への説明責任は果たされていません。国会で問題点を明らかにするべく責任を投げ捨てる、自民・公明による強引な運営に対して、満身の怒りを込めて抗議するものです。
 質疑を通じてTPP協定の重大な問題点が明らかになりました。

 国会決議に違反

 第一に、TPP協定の原則は関税撤廃であり、国会決議に真っ向から反するということです。決議は、農産物の重要5項目を「除外又は再協議」とし、「10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も認めない」ことを求めていました。しかし、TPP協定には「除外」も「再協議」もなく、重要5項目のうち3割で関税が撤廃され、残り7割でも関税率の引き下げなどにより「無傷」な品目は一つもないと政府は認めました。乳製品や林産物・水産物のなかに、10年を超える段階的な関税撤廃品目があることも認めました。
  政府が勝ち取ったというセーフガードなどの「例外」も、発効7年後の再協議規定で撤廃に向けた協議が約束させられています。小委員会や作業部会などで協議の対象となることを政府も否定しなかったではありませんか。
決議では「交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告する」ことも求めています。しかし、交渉経過は「黒塗り」文書でやり過ごし、審議を通じても「交渉の中身については言えない」との一点張りで、国会にも国民にも限られた情報しかもたらされていません。
 さらに、SBS(売買同時入札)輸入米での価格偽装疑惑によって、政府試算の前提は覆りました。再調査も、再試算さえもしない政府の姿勢に、コメ農家の怒りや不信が広がっています。これがTPP協定のまぎれもない結果であり、国会決議違反であることは明白ではありませんか。
 第二はTPP協定が「食の安全」をはじめ、国民のくらしと命、健康を脅かすことです。
 TPP発効で、輸入食品や遺伝子組み換え食品の急増は明らかです。輸入食品の9割以上が無検査のまま流通し、残留農薬基準違反でも消費されている驚くべき実態がある現状で、政府は「食の安全」を守れる保障を示せなかったではありませんか。
 日米2国間の交換文書で将来の保険制度の協議を約束し、国民皆保険制度が崩される危険があります。米国の製薬企業が薬価決定に影響を及ぼし、薬価が高止まりする懸念は否定できません。助け合いの精神ではじまった共済事業が民間保険との競争のもとで、制度の見直しが議題になる可能性も政府は認めました。きわめて重大です。

国内産業空洞化

  第三に、TPPの効果は、日本の企業の圧倒的多数を占める中小企業には恩恵が及ぶどころか取引先の多国籍企業による海外展開に付き合わされ、国内の産業空洞化がいっそうひどくなることです。
 政府は、技術力などをもった中小企業が「いなからにして海外へ展開」することの後押しになると言いますが、現在、海外展開している中小企業はO・9%にすぎず、9割は海外展開の必要性さえも感じていませ
ん。
   また、安い農林水産物の 輸入によって、農林漁業を 基幹産業とする地域では食 品加工や流通・運送などの中小企業に打撃が及ぶことは、火を見るより明らかではありませんか。
  第四は、多国籍企業や投資家が損害を受けたとして、投資先の国を訴えることができるISDS(投資 家対国家紛争解決)条項が盛り込まれていることです。
 質疑で明らかになったように、米国政府が訴えられても敗訴した事例は一つもないなど、米国とその多国籍企業に有利な仕組みとなっているのが実態です。最低賃金の引き上げや原発ゼロ政策などに対してまで訴えが起こされているのが世界の現実です。乱訴の歯止めとなる保障はまったくないばかりか、各国の経済主権が侵害されることは明白であり、断じて認められません。
 加えて重要なことは、政府自身が「生きた協定」と述べてきたように各種小委員会や規制の整合、TPP委員会などの仕組みによって、発効直後から、TPP協定そのものが変えられていくということです。政府は「国内の制度は変更を迫られない」とか「国益に反する再交渉はしない」などと述べてきましたが、何の保証にもなりません。TPPの本質は、あらゆる関税と非関税障壁の撤廃にあるからです。
 そのうえ、政府調達・公共事業、環境や労働にかかわる論点は審議さえもされていません。国民のくらしと命にかかわる問題について十分な審議をせず質疑を打ち切るというのでは、国民に問題点を明らかにすべき国会の責務を果たしたとは到底言えません。
 最後に、国民のくらしや命よりも多国籍企業の利益のために、日本の経済主権・食料主権を脅かすTPP協定は断じて認められません。いま世界では、行き過ぎた貿易至上主義に対する反対の声が沸き起こっています。各国の経済主権を尊重しながら民主的で秩序ある経済の発展をめざす、平等・互恵の貿易と投資のルールづくりこそ世界の流れです。日本が進むべき道は、TPPではありません。
 日本共産党は引き続き、TPP協定の全容と問題点を明らかにするとともに、国民の世論と運動と固く結んで批准を阻止する決意であることを表明して、反対討論を終わります。

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