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2016年7月30日 (土)

戦争の犠牲にされた悲しい動物たちⅡライオン 7月30日

7月28日(木)、思ってもいなかったNHKニュースウオッチ9の特集ダイジェストで“かわいそうなライオン” 1本のフィルムが語る戦争の悲劇が伝えられました。

 私はアジア太平洋戦争敗戦から70周年の2010年8月15日、以前から胸に抱いていた戦争で犠牲になった動物たちのことを知るために上野動物園を訪ね調べ、その内容をブログに掲載しました。(2010年8月24日掲載)

 私は動物たちとふれあうことが好きで時々動物園を訪ねたりします。そのたびに、動物たちから様々なことを学ばされ、活力をよみがえさせられます。

 神奈川県立津久井やまゆり園で、考えると苦しくなるような悲惨な事件が引き起こされました。この事件が発生し7月26日に、「全国手をつなぐ育成会連合会」がアピールを出しました。
その最後で次のようによびかけています。

 「事件の容疑者は、障害のある人の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられています。しかし、私たちの子どもは、どのような障害があっても一人ひとりの命を大切に、懸命に生きています。そして私たち家族は、その一つひとつの歩みを支え、見守っています。事件で無残にも奪われた一つひとつの命は、そうしたかけがえない存在でした。犯行に及んだ者は、自らの行為に正面から向きあい、犯した罪の重大さを認識しなければなりません。
また、国民の皆様には、今回の事件を機に、障害のある人一人ひとりの命の重さに思いを馳せてほしいのです。そして、障害の有る無しで特別視されることなく、お互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会づくりに向けて共に歩んでいただきますよう心よりお願い申し上げます。」

 この関係は人間と動物の間にも共通しているように思えるのです。

 私のブログ記事を読み返してみたら、福田三郎さんのこと、ライオン3頭が殺処分され、2頭のライオンは8月22日に毒物を与えたが食べないので心臓部を穿刺して死なす。と書かれていました。その2頭がアリ(オス)とカテリーナ(メス)のライオンであることを今回知りました。
2頭のライオンの写真は掲載されていませんでした。

 そういう経過もあって、ニュースウオッチ9の特集を掲載させていただきます。

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“かわいそうなライオン” 
1本のフィルムが語る戦争の悲劇

田中泉
「こちら、東京・上野動物園の様子です。 夏休みに入り、連日、多くの子どもたちでにぎわい
をみせています。」

河野憲治
「その上野動物園で、戦前に撮影された貴重な映像が見つかりました。そこからは、戦争をめぐる悲劇の知られざる一面が見えてきました。」

フィルムに写っていたのは…
東京の古道具店から見つかった、1本のフィルム。

その中に、2頭のライオンが映っていました。
5年前まで園長を務めていた、小宮輝之(こみや・てるゆき)さんに映像を見てもらいました。
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上野動物園前園長 小宮輝之さん
「この顔はやっぱりアリかな。
そうですね、カテリーナと。
動画は初めて見た。」

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(アリ オス)
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(カテリーナ メス)
アリ(オス)とカテリーナ(メス)。
昭和6年に、アフリカ・エチオピアの皇帝から贈られたライオンです。
当時、日本ではまだ珍しく、人気を集めました。

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(かわいそうなぞう)

今も読み継がれている絵本、「かわいそうなぞう」。
太平洋戦争中、空襲で動物園のおりが壊れ、猛獣たちが町に逃げ出したら危険だとして、飼育員たちの手で殺された3頭のゾウの実話をもとにした物語です。
取材を進めると、映像に映っていたライオンは、この絵本でゾウとともに殺されたライオンであることがわかりました。

かわいそうなライオン
当時、動物たちの処分を指揮したのが、園長代理を務めていた福田三郎(ふくだ・さぶろう)さんでした。
今回の取材で、福田さんの長女が東京に住んでいることがわかりました。

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柳川泰子(やながわ・やすこ)さん。
動物が処分された当時、16歳の女学生でした。
父親の三郎さんは、メスライオンのカテリーナにひときわ愛情を注いでいたといいます。

福田三郎さんの長女 柳川泰子さん
「仕事がうれしいっていう感じが、私にも伝わってくる父でしたね。」

しかし、次第に戦況が悪化。
動物園も戦争の荒波に飲み込まれていきます。

この頃、福田さんがつけていた日記です。

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家族が大切に保管していました。

昭和18年8月16日。
東京都から、福田さんにある命令が下されます。

“猛獣類を射殺せよとのことなり。”

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1か月以内に、すべての猛獣を処分するよう命じられたのです。

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日記のページの間に、仙台と名古屋の動物園に送った手紙の原案が挟まっていました。

“安全なる貴園において収容の御希望あり。”

福田さんは、ライオンたちの命を助けるため、ほかの動物園に疎開できないか模索しました。

しかし、都の反対で願いは届かず、命令から6日後(8月22日)、アリとカテリーナは処分されることになったのです。

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“午後6時5分
毒薬3グラムをウマの肉に入れて与える。
にがいのか、すぐ吐き出す。”
“6時58分
けいれん発作。
苦もん、はなはだしい。”

苦しみ続けるカテリーナを見かねた飼育員が、とどめを刺しました。

7時33分
“心臓部をやりで刺す。”

“7時42分
呼吸停止、絶命。
所要時間1時間37分。”

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すべての動物が殺されたあとに撮られた福田さんです。
体重は1か月たらずで8キロ減っていました。

『動物園物語』(著者:福田三郎)より
“夜、床に入っても眠れない日が幾日もつづきました。
眠られぬ夜は、なかなか死ねなかったライオンの雌を思い出してなりませんでした。”

娘の泰子さんがこうした事実を知らされたのは、戦後しばらくたってからのことでした。

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福田三郎さんの長女 柳川泰子さん
「その時、何して帰ってきたか想像もできないから、わからなかったです。
“こういう係はやりたくない”と、どんなにみんなが思っても、口に出せる社会ではなかったんです。
それぐらい厳しいですよ、戦争って。
父はどんなにつらかったろうと思います。」

戦後、活気をとりもどした動物園。

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園内の一角に、アリとカテリーナが剥製となって今も残されていることがわかりました。
あの日の悲劇を伝えようと保管されてきましたが、その存在はほとんど知られていません。
今回、特別に倉庫から出し、撮影が許されました。
カテリーナの胸には、ヤリでとどめを刺された跡が確かに残されていました。

この日、泰子さんは、孫と一緒に戦争で犠牲になった動物たちをまつる慰霊碑を訪れました。

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福田三郎さんの長女 柳川泰子さん
「お互いつらかったよねって、安らかに眠ってって。」

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福田三郎さんの長女 柳川泰子さん
「平和っていいなって、つくづく思います。
ライオンを見て本当にそう思いました。
動物園があるってことは、平和の印。」

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フィルムの中で生き続ける2頭のライオン。
知られざる戦争の悲劇を訴えかけています。

戦争の悲劇伝える かわいそうなライオン

田中泉
「『かわいそうなぞう』の話は知っていましたが、他の動物たちにも、こうした悲しい物語があったんですね。」

河野憲治
「実際、戦時中に処分された動物は、全国であわせて160頭以上に上るといわれているんです。
それぞれの動物園では、毎年夏のこの時期になると慰霊祭などを開いているということなんですが、戦争と平和について家族で考えるきっかけになればいいのではと思います。」

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