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2011年9月19日 (月)

岩手県宮古市・重茂(おもえ)漁協の挑戦  9月19日  

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(重茂は日本一のワカメの生産地)
9月6日、NHKで放送された番組を食い入るように見ました。
ここには、緊急・非常時にリーダーが取るべき態度の重要性が、いかんなく表現されていました。
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 重茂漁協の伊藤隆一組合長(72才)は漁業協同組合の原点を困難があっても、信念を貫き通し、組合員を信じ、共に前に進む姿が感動的でした。

重茂(おもえ)漁業協同組合は存亡の危機に立たされていた

● 4月9日

 574人の漁師に全員集合を呼びかけ全員協議会を開催。
伊藤隆一組合長は考え抜いて提案を行った
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「命をかけて助けた船だから、残った船はみんなで使うんだと。まず、みなさんと共に、一致団結して、この重茂の地を再興すると」
 重茂の人々は協同化という新しい方式で養殖の復興にとりくんでいくことになりました。
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 大震災で何もかも無くした漁師の山崎さんは、組合の提案は願ってもない助け舟でした。
「家も何も失った人っていうのはね、手足を切られたといっしょだと思うんだ。なんの動きもとれねえもの。その中で、前へ前へと進んでくれる、案を出してくれるあの組合長はすごいもんだなと思うね」

● 5月6日 国の一次補正予算の提示

しかし、予算は2000億円で復旧だけの予算で、重茂漁協には助成がない。
 予算は復旧対策で復興は二次補正ということ。
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(伊藤さんは国に迫ります)
伊藤さんは「今の話からいうと、復興を待つためにはあと1年無収入でいなさいよということだ。そんなバカな話ねぇべ。国として。なんとかなんあいですか、そこは。」
「飯、食わねえでいるわけにはいかねんだょ。こういうさ、非常時なんだよ、非常時」
と国に食い下がった。
 被災者と内閣の現実に対応する姿の断絶を実感。あまりの隔たりに強い怒りを感じました。
 

○ 廃業する人が相次いでいた。  181人→128人へ
○ 年間2億円あった定置網漁の収入。しかし、船は震災で破損し修理が必要だった。

● 5月18日  共同でどう舟を使うかの話し合いが始まる

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  天然ワカメの収穫時期が迫っていた。
初めての協同作業の難しさに戸惑いながら、それぞれの分担を決めました。
漁師「仕方ない」「みんなでがんばるためには、これやってかないとね」

●  5月21日  漁師が共同で天然ワカメ漁に出かける

だれも経験したことのない船を他人と共同で使う初めての漁、しかも本来なら競い合う水揚げは、公平に分け合うという異例づくしの漁です。それでも漁に出た漁師たちは海で働くことに強い喜びを感じていた。「やっぱり海はいいね」
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(5月21日 天然ワカメの出漁)
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 浜では女たちが総出でワカメの茎を切る作業を受け持ちます。
この日まで必死で舟を集め準備をしてきた組合長の伊藤さん。思い描いた
作業が順調に動き出していました。ゆで上がったワカメを口に伊藤さんは「超一級品だでば」「目指した姿だよね」「こういう要領で、思った通りにいった感じだがね」

○ 5月の天然ワカメ漁の水揚げの結果が大きな波紋を広げていた
浜でも屈指の水揚げをしてきた漁師の4日間の収入が115,394円。漁に参加した200人で分配の結果。例年の1/4であった。
共同作業への不安も。経験など様々な条件の人たちの参加による共同作業の難しさ。

伊藤さんも個人で養殖をやりたいという漁師の思いは痛いほどわかっていました。それでも今は、たとえ収入が少なくなっても、全員で支えあっていくべきだと考えていました。
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「人間がね、努力によって、それぞれの見返りが自分の懐さ返って来るんだとそれがね、基本だろうと思ってるの。でも協同組合だもの、条件がいい者だけがね生きればいいというもんじゃねえや。条件が悪い者がさ助け合ってやっていくのが漁協なの。みんなが生きることを考えねばならねえの」

● 6月7日 復興への追い風が

岩手県が国の支援は不十分だとして、養殖への73億円の手厚い支援を決めた。懸案であった協同で行う事業も補助の対象になった。
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国の対応が遅れる中で、やむをえずとられた県の緊急支援策。行政からの支援がようやく伊藤さんたちの下にも届き始めました。
 ここでも、国の政治が住民の願いに応えていない時に、地方自治体のあるべき姿があり、拍手をおくりました。

● 6月23日、定置網漁の船の修理が済んで港に帰ってきた
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漁協はいち早く、定置網漁に踏み切った。漁は大漁で活気が。「今日が一番嬉しい日だな」水揚げ23トン、550万円の売り上げとなった。養殖ワカメを復興させるための大事な資源に。

● 6月29日 重茂漁協1年間の事業計画を決める総会を開催
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(総会 明るい兆しが見え始めいる)
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(膨大な復興予算が必要になる)
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(ワカメの養殖の種付けをして来年の3月を待つ)
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(新しい舟の出港を祝う)
○  養殖ワカメの種付け作業が共同で始まる。収穫できるのは来年の3月(2012年)頃になる。
○  7月21日 震災後に造られた新しい舟が重茂に到着。みな喜びを胸一杯に新舟の出港を祝いました。

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コメント

突然失礼します。私の息子は、今18歳です。漁師になりたくて去年3つの船に乗りました。養殖をやりたいそうです。宮古市田鎖在住ではどうしても重茂で漁師をやることはできないのでしょうか?今月で昆布の手伝いが終わり、今、どうしていくべきなのか悩んでいるようです。重茂で漁師をさせて下さい。お願いします。

投稿: 中洞千恵子 | 2017年5月29日 (月) 02時08分

中洞千恵子 様
 私のブログ記事への書き込みありがとうございました。
私は埼玉県に住んでいます。
私がこの記事を書いたのは2011年9月19日でした。
東日本大震災の生活再建、復興にとりくむ最中に、NHKの放送で重茂漁協の伊藤組合長と漁師のみなさんの前向きに進もうとする姿に感銘を受けこの記事を書いたのです。
 重茂漁協の活動についてはその後も注意してネットで見たりしていましたが、最近はネットも見ていませんでした。
中洞さんの書き込みで、この文章を書く前にネット検索しましたら、重茂漁協は今もがんばってやっているようです。

岩手県宮古市
重茂(おもえ)漁業協同組合
〒027-0111 岩手県宮古市重茂第1地割37番地の1
TEL.0193-68-2211(代) FAX.0193-68-2010

息子さんのこと、重茂漁協と直接連絡をしてみたらどうでしょうか。
何か希望の光が見えてくるのではないでしょうか。

ネットで、重茂(おもえ)漁協と検索すれば漁協の活動を知ることができますし、電話で、いろいろと詳しく話を聞いてみたらいかがでしょうか。

投稿: | 2017年5月29日 (月) 14時01分

ありがとうございます。昔から重茂は土地柄他所の人を受け入れてもらうことが難しい所です。直接重茂漁協にお願いしても難しいと思い、ネット検索をしていてあなた様のブログから重茂漁協に届く事はないのかとの思いでした。色々とありがとうございました。 中洞

投稿: | 2017年5月29日 (月) 23時40分

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