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2011年8月23日 (火)

シモツケコウホネを訪ねて日光小代へ  8月18日

 

シモツケコウホネは
栃木県にしか生息しない貴重な花


clover 写真の画面をクリックすると大きくして見れます。

● 国のレッドデーターブックで、維菅束植物 絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定
● 栃木県のレッドデーターブックリスト38番で、維菅束植物・スイレン科で絶滅危惧種Ⅰ類に指定。シモツケコウホネの生息確認は日光(小代)と那須烏山市との2ヶ所。
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(シモツケコウホネが咲く小川)
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(小川はきれいで、手をいれてみると水は温かでした)
 
8月13日の朝、NHKの放送でシモツケコウホネの事を知り、すごく関心が湧きました。早速、ネットで調べ「シモツケコウホネと里を守る会」代表の柴田由子さんの電話がわかり、ぶしつけでしたが電話をし、8月18日に訪ね説明してもらうことが決まりました。

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(マツカサガイ持った少女と嬉しそうな柴田由子さん)
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(シモツケコウホネにアオハダトンボが)
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(みな子どもの頃に帰ったような感じでした)

 18日、日光小代の現地に着くと水田は圃場(ほじょう)整備されていて、道路脇の小川に黄色いシモツケコウホネが咲いていました。小川は透き通っていて、アオハダトンボが何匹も飛び、トウキョウダルマガエルが居て、カワニナの子どもをたくさん見ることができました。見学に来た小学3年生の女の子に柴田さんが「この川にはマツカサガイが居るのよ」といっしょになって川の底まで腕を入れてマツカサガイを2つ取り上げました(マツカサガイはその後、川に戻してやりました)。シモツケコウホネに生き物と、わずかな距離の小川に、昔は普通だった自然の営みがあることに感銘をうけました。こうした自然は大切に守らなければいけないとつくづく思いました。(後で調べていてわかったのですが、マツカサガイは栃木県の絶滅危惧Ⅰ類に指定されていました)

 

 

 

happy01 柴田由子さんとのインタビューから

 小代ではシモツケコウホネの葉を「カワワカメ」と呼んでいるそうです。 昔、だれも黄色い花がシモツケコウホネであることがわかっていませんでした。小代では黄色いコウホネがジュウタンを敷いたように咲いていた時期があったと、80代の人たちがそう話しているそうです。

 

田植え時期には水路の流れをよくするために、堀さらいをし「カワワカメ」を根こそぎ除草したためにコウホネは亡くなっていきました。

この辺に5~6メートル残っていて、農家の人にたのんで堀さらいをやめてもらいました。その時に快く承知してくれたのが柴田新一さんで熱心な「守る会」の会員で活動しています。それ以来、水路の掃除、草取りなど手入れを続け、いまでは56㍍もの距離でシモツケコウホネが咲くようになりました。

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(今では56㍍もの距離でシモツクコウホネが咲くようになりました)

シモツケコウホネは青いのがつぼみで立ち上がっていって花を咲かせ、3日か4日咲いて水の中に倒れこむように沈んでいって赤い実をつけます。実が熟するとパーンと割れて種が流れ出します。7つか8つの袋に10個ぐらいづつの種が入っていて全部で80個ぐらいの種がはいっています。それが流れていくのですが、根付くのが難しく、今のところ、竹の子のように根茎がはっていって増えている状況です。黄色い花弁に見えるのは「がく」で花はその内側の小さな黄色の部分です。

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(水中の赤いのがシモツケコウホネの実です)

 柴田由子さんは21才の時に結婚し小代に住むようになりました。2002年の夏に、埼玉から絵を描きに来ていた平山ひろ子さんに出会ってからコウホネとかかわるようになりました。その当時はコウホネに興味は全然ありませんでした。

 

平山さんが「この花は貴重な花で、圃場(ほじょう)整備をするとなくなってしまうかもしれない。これは残さなければいけない」と教えてくれました。

それから、市とか県などへの要請の運転手をするようになり、自分も段々と興味を持つようになって2人で守る活動が始まりました。全国のコウホネ保存運動の勉強にも出かけました。そして、仲間も増えて、仲間たちに助けられて今日まで来ました。現在「シモツケコウホネと里を守る会」代表をしています。
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(外側ががくで中が花です)
 2005年8月に、発起人8人で「守る会」を発足させました。

 

「守る会」は圃場整備に反対しているわけではなく、コウホネをふくめ動植物を守りたいと圃場整備関係者とも話をしました。けれど意見の食い違いもあり、このままだと村八分にされるぞとささやかれ、心身ともに疲れ果ててしまった時期がありました。

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(シモツケコウホネのつぼみです)

 その時、家族みんなと「守る会」の仲間が私を支えてくれました。

 

当時、おばあちゃんも元気で(88才で亡くなった)「由子さん、悪いことして村八分になるんじゃないでしょう。いいことして村八分になるのならいっしょに村八分になってやるから。がんばりな。一生人間は勉強なんだよ。勉強には無駄がないんだよ」と励ましてくれました。このおばあちゃんの言葉が、心に杭を打たれたようにグサっと来て「絶対がんばろう」と決めたんです。ここまで来れておばあちゃんに感謝しています。あれがなかったら・・・

 息子も「お母さん5年がんばれば、きっといいことあるよ」となにかと援助してくれました。

 

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(2本並んで咲いています)

2006年9月に栃木県にしかない貴重な新種であることがわかり、新種シモツケコウホネと命名されました。その時は飛び上がって喜びました。新種であることが発表されると報道もされ、2ヶ月で2000人を超える人たちが見に来てくれました。「応援しているから」「がんばってね」など励ましてくれ大きな力になり感謝しています。 

 

 県、市、圃場整備推進委員長を始めとする関係各位の理解と協力が進んできていますが、願いは地元の方々と守っていくことが一番嬉しいことで、これからの課題で夢なんです。それができれば最高です。

 8月13日にNHKで放送されたことは自分への「がんばりなさい」というプレゼントだと思っています。
 現在シモツケコウホネが咲いている水路の距離は56メートルで、増やそうとしている距離は全体では100メートルです。そのわずかな水路にたくさんの生き物が生息しています。こうした生き物たちに心を寄せながら、毎日手入れをしています。

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(シモツケコウホネとトウキョウダルマガエル)

「2005年から毎日、つぼみ、花の数、水温、ペーハーを記録しているんです」と記録簿を見せてくれました。「データーを続けて取っているので、減ったり増えたりしていることがすぐわかるんですよ。数だけでなく気付いたことも記録してるんです」

 8月18日(今日)は79本、7月24日は102本の花が咲き今年の最高です。今日(8月18日)の水温は23度でした。

 去年の7月24日は66本。8月18日は30本で、20数本とか50数本とかいう日もあって、新聞も激減に異変と報道しました。
 昨年はシモツケコウホネ生息地付近の圃場整備が終わって初めての環境下での開花でした。春先の水量が多すぎたり、水温が低かったり等でシモツケコウホネに元気がなかったのです。国の絶滅危惧ⅠA類でもあり県はあわてて、水温計を付けるなど初めて具体的な対策を講じてくれました。

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(シモツケコウホネとアオハダトンボ)

NHKで放送されてから見に来る人がすごく増えたそうです。この日も、たくさんの人たちが来ていました。

 

帰り、柴田さんが下小代駅(東武線)まで車で送ってくれました。その時に、下小代駅が有人だった頃の駅舎が駅の近くに移設されていて、すぐそばに大きな桜の木があり、4月に地元の人たちといっしょに「さくら祭り」をやっていることを教えてくれました。その話を聞いて、柴田さんたちが地元の人たちとの結びつきを大切にし、努力していることがわかり、嬉しい気分になって電車に乗ることができました。

 

 

 

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コメント

子供のころ、川に咲いてた  あの黄色い花は何だろう・・・?と検索しましたらこちらに辿り着きました。
今は埼玉県に住んでいますが
田舎は栃木県の旧河内郡南河内町磯部というところで 
現在の自治医大と鬼怒川の間ですが、当時は水がきれいで さまざまな生き物もいてまさにこの花が咲いていました。
シジミ他いろんな貝や虫やカエルやザリガニ、鯉、鮒、メダカなどが泳ぐ中、コウホネが直立して咲いてて目に残っています。
今思えば な~~~んて素敵な環境だったことか、、、。
川で泳ぐことができたころですから、相当昔ですが、その貴重だったことに 今頃気がつくしだいです。
あのコウホネがそんなに貴重なものだったとは・・・思いもよらずこれを書きながら当時を思い出し、記憶の中にあるだけでも幸せな気分になれます。
いつか見に行きたいと思います。
ぜひ守ってください。貴重な活動に感謝です。
ありがとうございます。

投稿: 宇賀地洋子 | 2015年2月 7日 (土) 02時52分

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